*靴下とゴムの消滅について

日々消滅していくものが、2つあります。
かたっぽの靴下と、髪の毛を結うゴム達です。
今までの人生で、この2つは一体どれだけ消えて行ったのでしょうか?


世界中の消滅した靴下は、どこかに集まって、とある会社に引き取られるに違いありません。
そして、そのとある会社が、再び闇市場で販売。
「こちらの右靴下はいかがですか?今朝スコットランドから入ったばかりの3年ものです。」
「おすすめはニュージーランドの左靴下です。保温性が大変優れております。
 まだ2回使用されただけなので、多少お値段がはりますがね。」
といった取引が、どこかの国の秘密の地下街で。


じゃあゴム達は?
世界中から集まった何百億、何千億の色とりどりのゴムは、
やがてひとつに丸められ、新素材として注目をあびることになるでしょう。
人工衛星や、自動車のボディ、競泳選手の水着など。
様々な新しい可能性がひめられた、注目の新素材として。


なんてことを、考えざるをえなくなるくらい、毎朝この2つの行方がわからなくなるのです。